便が硫黄くさい理由を知っていますか
便やガスの臭いが強烈にくさくて困ったことはありませんか?
体調も悪いし、人前に出たくない…と思うかもしれません。
しかし、くさい臭いにも原因があることがあります。
原因が分かれば対策がたてられます。
下痢が硫黄くさい原因は?
腸の中は善玉菌と悪玉菌という二つの菌により、バランスよく保たれています。
一見善玉菌だけがたくさんあれば良いように感じますが、悪玉菌という名前ながらこれも無いと「腸内環境のバランス」は良くないのです。
善玉菌と悪玉菌が良いバランスで存在して、はじめて腸内は正常に活動します。
悪玉菌という名称のごとく、悪玉菌が増えすぎれば良いことは有りません。
- 食生活の乱れ、ジャンクフードの摂りすぎなど脂っこいものばかり摂っている
- しつこい便秘で便が腸内に滞っている
などの環境で便が腸内で発酵して強い「硫黄のような臭い」を発することがあります。
悪玉菌が増えることで、それだけでも下痢してしまうこともあります。
細菌性下痢とは?
細菌性の腸炎は多くは梅雨のころから秋口のじめじめとした季節に多くみられます。
原因菌としては、サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオなどです。
他にブドウ球菌、病原性大腸菌(代表的なものはO-157)などがあります。
便に血液や粘液、膿が混じっていることが多く発熱があり、腹痛も強く出ることがあります。
これは腸内が細菌感染して出血したり、細菌に対して体の免疫機能が闘った結果膿が出たり、熱が出たりしているのです。
時に重症化すると、「溶血性尿毒症」といって黄疸が出たり、浮腫や血尿、頭痛などの症状が出ることがあるので早めの対応が必要です。
便培養や毒素産生試験などで確定診断をつけます。原因が確定したら除菌をします。
生菌整腸薬の投与、抗菌薬を使用して細菌を退治し脱水があれば補液していきます。
細菌を出したいので下痢止めは使いません。
細菌性下痢の時の便の色とは?
下痢状態で硫黄のにおいがするというだけでなく便が白っぽかったり血便混じりでイチゴジャムのような色になることがあります。
子どもでおむつ排泄をしているときは、そのおむつそのものを持っていきましょう。
特徴的な便で診断が早くつきます。
臭い下痢の対処法とは?
細菌性下痢であることが診断がついたら、病院で抗生物質を投与するのが有効です。
自宅で安静にして様子を見ていて治るのは難しいですし、こじらせる可能性もあります。
便が硫黄くさかったり、血便や発熱、腹痛を伴うようでしたら早めに受診しましょう。
腸内が感染して悪玉菌が増えている状況だと、どうしても臭いは強烈になります。
まずは原因を除去すること、病院で除菌していくことですが、その他にも臭い下痢に対して
- タンパク質を摂りすぎない(肉ばかりでなく、野菜などもバランスよく摂る)
- 乳酸菌の摂取で善玉菌を増やし悪玉菌を減らす。(納豆、キムチ、ヨーグルトなどの発酵食品)
- 乳酸菌を摂っていても悪臭が取れないときは、その乳酸菌が合っていないことがあるので、ヨーグルトなどは他のメーカーに変えてみる
など試してみてください。
細菌とウィルスの違い
下痢を起こす原因は様々ありますが、細菌とともにウィルスによる場合もあります。
同じように起因する菌やウィルスがあっての下痢のため、「感染性の腸炎」として似たような対応をしがちですが細菌とウィルスは根本的に違います。
感染した細菌やウィルスの種類によって特徴的な症状が出ることはあります。(ロタウィルスの白い便やO-157の血便など)。
ですが、両方とも出てくる症状は似ています。
細菌とウィルスでは成り立ちも違うので、対処法も変えなくてはなりません。
細菌はいわゆる生きものです。
食べ物などに付着して自分自身で増殖していくことができます。
対してウィルスは宿主に寄生して生きていくもので、生きた細胞に乗っかって自身を複製することで増殖していきます。
そして、細菌には抗生物質が効きますが、ウィルスには効果がありません。
抗生物質は抗菌剤とも言い菌を除菌するための薬です。
ウィルスは基本的には自然治癒を待つ形になります。
ですが、特異的な抗ウィルス剤が開発されているウィルスもあるので対処薬がある場合にのみ使用する形となります。
元々はウィルスでもそこから細菌感染症状が出ていれば抗生物質を使用することもあります。
抗生物質は諸刃の剣で良い菌・善玉菌も除菌してしまうので下痢は続いたり、使い過ぎでかえって抗生物質が効かなくなる事もあるので要注意です。
まとめ
下痢と一口に行っても原因は様々あります。
原因が特定できないこともありますが、硫黄くさい臭いがしたり、血便が出るような下痢は何か別の原因があるケースが多いです。
そういった場合に備えて、あらかじめ「細菌性下痢」についても予備知識を持っていれば対処も早くなります。