便の色が白色の時の特徴まとめ

便の色が白色の時の特徴まとめ

便が白い…とはどういった状態か想像つくでしょうか。

 

実際に白い便が出たことがある人は分かるかもしれませんが、未経験の方にはわかりづらい色かもしれません。

 

例えば、健康診断でバリウムを飲んだときなどの便を見たことがあれば、それに近い状態のことになります。

 

ほとんどは米のとぎ汁のような水っぽい便であることが多いです。

 

そして、白っぽい便は赤や黒の便と同様、なるべく早く受診した方が良いことも多い緊急性のある便であることがあります。

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消化不良の影響で白色になる

これは、比較的軽いもので、すぐに病院に駆け込む状態ではないことが多いです。

 

消化不良とは、「食べた物に対して消化管の消化吸収という働きが追い付かず、十分に消化吸収されないまま便として排出されてしまう」という状態のことです。

 

例えば下記の原因が考えられます。

  • 脂っこいものを食べすぎた(脂分は最も消化に時間がかかります)
  • 一気に短時間にに大量に食べた
  • 洋菓子など脂溶性のものと、アルコールを同時に大量に摂取した

 

予防としては、できるだけ一気に大量に食べるような暴飲暴食は避け、脂分を摂るときは一緒に野菜類も摂るなどすると良いです。

 

栄養不足の影響で白色になる

これもさほど緊急事態とは言えませんが、やはり栄養不足が長く続いて良いことは無いので、早々の対応が重要になります。

 

便が白色になるほどの栄養不足はそれなりに深刻です。

 

食べ過ぎで消化不良を起こすのと対照的に、食べなくても質の良い消化液は出来なくなるのです。

 

無理なダイエットなどで食べないことや、栄養不足が重なると消化液にも下記のような影響が出てきます。

 

  • 胃液=酸化が進み、逆に自分の胃壁を攻撃するほどになりせっかく食べてもうまく消化できず胃部膨満感だけが残ったりする
  • 胆汁=ある程度食べた物によって生成が促進されるので食べないとできなくなる。

 

などの状態になると、胆汁の成分が消化に関わる量が少なくなるので便が白っぽく見えるようになってしまうのです。

 

便が茶色いのは適度な胆汁の排泄があるからです。

 

胆汁内のビリルビンが便に茶色をつけているのです。

 

やはり一日3回の規則正しい食事のリズムが、体内の消化液も正常量に質の良い状態にコントロールするのです。

 

ウィルス感染の影響で白色になる

ここからはやや病的で早めの受診が勧められる疾患が伴う白色便になっていきます。便が白くなるウィルスは「ロタウィルス」です。

 

基本的には小児に多く、現在は生後2か月から打てる予防接種も出ています。

 

白色便だけでなく、水様性の下痢状態になるので水分の排出が多く、小児や新生児がかかると体が小さいため脱水状態になりやすくなります。

 

子どもの便が白っぽくなったら早々に医療機関の受診が必要になります。

 

また、大人への感染例はあまり無いですが、手洗いや便の処置に気をつけて、自分が感染しないようにも移らないように、また他の子どもへの媒介にならないようにしましょう。

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急性肝炎の影響で白色になる

ここからは、肝臓や胆嚢や胆管という、健康な便の色の元になる胆汁=ビリルビンを生成することに関わる組織の問題になります。

 

これらの状態は、出来るだけ早く受診を勧められますし、白色便以外の症状が出ていれば緊急受診も必要です。

 

急性肝炎とは、肝臓が炎症を起こして火が付いたような状態のことで、さらに変化としても急激な炎症性変化の状態です。

 

発熱や重度の倦怠感、黄疸などが伴うでしょう。

 

胆汁を作るのは肝臓内の細胞です。

 

肝臓内で生成されて、胆嚢に貯められて必要時(油脂の多い食事を摂ったときなど)排出されるのですが、その肝臓が炎症を起こしているのでその運搬路がうまく働きません。

 

本来便に排出されるビリルビンが排出されず、便は白色になり行き場を失った胆汁が顔面や眼瞼結膜などから黄色く見えて黄疸と診断されるのです。

 

急性肝炎では、白色便になる前に前述したような症状が出てくると思われます。

 

生命にかかわることがあるので緊急受診の対象です。

 

胆石症の影響で白色になる

痛みが伴っていれば、緊急受診すべき状態です。

 

胆石とは胆嚢内に石ができてしまう状態です。

 

石の成分はコレステロールなどですが、元々脂肪分を分解する消化酵素の胆汁はドロドロになりやすいので、石のように固まりやすいのです。

 

砂のように微細なものから、数㎝の大きさのものまで様々ですが、かなりの激痛を伴います。

 

また、打診痛といって腰の横のあたりをこぶしで叩くと響くような痛みが下腹に走ります。

 

胆石が、胆汁の流れを阻害すればやはり便にビリルビンが排出されず便は白くなります。

 

胆石で痛みが出れば、麻薬が必要なほどの激しい痛みなので病院に駆け込まざるを得ないでしょう。

 

「サイレントストーン」といって、痛みの出ないものもあり白色便が先に発見される可能性もあります。

 

その場合はその他の疾患が隠れていることもあるので準緊急の受診をお勧めします。

 

胆管癌の影響で白色になる

胆管がんで便が白色になるのも、がんによる胆汁の通過障害によるものなので胆石症と同じ状況になります。

 

ただ、石のように痛みが出るわけではなく、下腹が重いくらいの症状しかないので早期発見のためには便の色の変化に気づいたら早めに受診することです。

 

先天性胆管拡張症の影響で白色になる

これは胆汁の一つの経路である胆管の動きが悪い状態です。

 

何らかの理由で胆管の一部が袋状に膨らんでしまって膵胆管合流異常を伴うことが多いです。

 

先天的なものなので、なかなか治癒や発見がむずかしく、白っぽい便から発見されることも多いです。

 

白っぽい便は、緊急事態を要する状態のことも多いので、鑑別のためにも早く受診した方が良いでしょう。

 

膵癌の影響で白色になる

膵癌とは、肝臓の近くにある膵臓のがんです。

 

すい臓がんが進行してくると、本来小さな膵臓がどんどん大きくなって張り出してきます。

 

すると胆管を圧迫してやはり胆汁の経路が阻害され始めます。

 

そして、便が白っぽくなるのですが、この場合のすい臓がんはかなり進行しているといえるので緊急受診が必要です。

 

まとめ

白い便は単純に消化不良などのこともありますが、かなり深刻な状態のこともあります。

 

白い便ということは、便に出るべきものが出ていない状態ですから、本来排泄されるべきものが出ず体内で悪さしていることは考えやすいことと思います。

 

バリウム検査などをした、意外に白っぽい便が出たときは、鑑別のためにも早めに医療機関の診察を受ける事が重要です。

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