便が硬い・カチカチの時の健康状態とは
便が硬く、カチコチになってしまっている時、体の中では何が起きているのでしょうか?
便が硬くなる原因はいくつか考えられます。
- 生活習慣や食生活が関係している場合
- 排便習慣が悪化している場合
- 何らかの疾病が関係している場合
などがあげられます。
ではそれぞれの原因の代表例を詳しく見ていきましょう。
食物繊維の不足によって固くなる
水溶性食物繊維が不足すると便が硬くなります。
注意したいのは、食物繊維をたくさん摂っているつもりでも水溶性食物繊維が不足することがあるという点です。
食物繊維には大きく分けて2種類、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
それぞれが多く含まれている食品の例を挙げておきます。
- ごぼうなど根菜類
- サツマイモなど芋類
- ハトムギや玄米など穀類
- 小豆、えんどう豆など豆類
- ひじき、わかめなど海藻類
- こんにゃく
- りんご、キウイなどの果物
- 寒天
- その他、ヌルヌル、ネバネバした食材(わかめ、山芋、オクラなど)
食物繊維を摂取する際に、この両者を不溶性食物繊維:水溶性食物繊維、2:1で摂ると健康な便になると言われています。
逆に不溶性食物繊維の分量が多くなりすぎると便が硬くなってしまうのです。
食物繊維を摂っていると思っていても便が硬くなる人が多いのはそのためです。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく食べるように心がけましょう。
運動不足によって固くなる
運動不足が続くと、便をしっかり肛門まで運ぶ力が弱くなり、途中で過剰に水分が奪われ硬い便になります。
逆に適度な運動をしていれば、排便習慣を整えることができます。
- 運動により体温が上昇し、お腹や腰周りの冷えを防ぐ
- 運動をすることで血液や、体内の水分循環が良くなる
- 運動により筋力が保たれ、排便を助ける
といった、理由が考えられます。
しかし、運動不足になればすべて逆ですね。
- 体温が上昇しないので、冷え性になり腸の動きが悪くなる
- 特に下半身に血液や水分が滞り、便から過剰に水分を吸収する
- 筋力が低下し、腸の動きを補助できなくなる
ですから、適度な運動を毎日続けることが大切です。
腸内環境の悪化によって固くなる
腸内環境が悪化し、悪玉菌が増加すると便が黒く、硬くなります。
腸内の善玉菌といえば、乳酸菌やビフィズス菌が有名ですね。
これら善玉菌は便の色を黄色くし柔らかくする働きがあります。
赤ちゃんのウンチを思い浮かべると分かりやすいですね。
赤ちゃんの腸内は善玉菌が多いので黄色く柔らかいウンチです。
腸内の菌の数は決まっています。
ですから善玉菌が増加すれば悪玉菌が減少し、イイ硬さの便になります。
善玉菌を摂取するとともに、善玉菌の餌の役割を果たしてくれるオリゴ糖を摂取することで、腸内環境を整えることができます。
過敏性腸症候群によって固くなる
過敏性腸症候群には便秘型、下痢型、混合型がありますが、便秘型の場合、コロコロで硬い兎の糞のような便になります。
過敏性腸症候群の原因は、はっきりしません。
いろいろあげられるうち代表例としては
- 腸の蠕動運動が強くなっている
- 腸の内圧が高くなり痛みを感じやすくなっている
- 心理的ストレスが引き金に
- 精神的に不安、緊張状態にある
などが考えられます。
しかし、これ、という原因に絞り込めないのが現状です。
ご自分が過敏性腸症候群の便秘型に当てはまると思われる方は、生活習慣、食生活の見直しが先決です。
改善が見られない場合は専門医の治療を受けることも視野に入れていきましょう。
腸の狭窄によって固くなる
腸が何らかの原因で狭窄し、便が腸内に長い時間とどまってしまうようになると硬い便になります。
水分が奪われるためです。
腸の狭窄の原因としては
- ガンやポリープができている
- 子宮内膜症の影響
- 子宮や卵巣にできた腫瘍による圧迫
- 腸の蠕動運動不全
- クローン病などを原因とした腸の炎症
- 妊娠の影響
- 糖尿病によるもの
などたくさんあげられます。
自分で原因が思い当たらない場合は、一度病院で診察を受けることが望ましいでしょう。
狭窄により、腸に長く便がとどまることで、排便が困難になるばかりか、肌荒れや冷え性、腰痛などの原因になることがあります。
また、更にはがんなど他の疾病を引き起こす可能性もあります。狭窄自体が癌やポリープで、治療が必要な場合も多いようです。
まとめ
便が硬く、カチコチになるのは、便が腸内に長くとどまりすぎ水分がなくなってしまうためです。
その原因としては
- 水溶性食物繊維の不足
- 適度な運動ができていない
- 腸内の悪玉菌が増加
- 過敏性腸症候群など疾病
- 腸の狭窄によるもの
などが考えられます。
まず便の状態を整えること、そして腸自体を健康にしていくことという両方の取り組みが必要ですね。
バランスのよい食生活、規則正しい生活スタイルを心がけるとともに、なかなか改善されない場合は専門医の指導を受けることも大切です。