便の色が黒色の時の特徴まとめ

便の色が黒色の時の特徴まとめ

便が黒く見える時があった、というのは意外と誰でも経験しているのではないでしょうか。

 

便が黒くなるのは消化管の病変などの場合もありますが、便秘など日常的に起こり得る状態の時もあるのです。

 

便が黒く見える原因と対策、緊急度をご紹介します。

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重度の血便の影響で黒色になる

血液は出血した当初は鮮やかな赤色ですが、空気に触れると参加して黒っぽくなっていきます。

 

その酸化した血液が混じった便が黒っぽく見えるということがあります。

 

血便が出る疾患はありますが、便が黒く見えるまでの出血となると出血量も多い可能性があります。

 

黒い便で最も問題なのは「タール便」と呼ばれるものです。

 

これはアスファルトのような黒い色で、血液臭・錆びた鉄のようなにおいがします。

 

さらにドロッとした水分の多い便であることが多いです。

 

これは、出血の量としても多く、また出血したか所から長い距離を移動(長く空気に触れている)ことが考えられる便です。

 

多くは「胃」や「十二指腸」など消化管が始まってすぐの、肛門まで長い距離のある個所の出血であることが考えられます。

 

胃からの胃癌、胃潰瘍や十二指腸からの十二指腸潰瘍などが原因となる病気です。

 

タール便は、少量の出血では起こりません。

 

ですから、生臭いにおいのする真っ黒な便が出たら相当量の出血があると考えるべきです。

 

時に出血性ショックを起こして、意識レベルに問題が起こることもあります。

 

緊急的に病院を受診しましょう。

 

便秘の影響で黒色になる

便が作られてから長く大腸内に停滞していると、悪玉菌が増え、腐敗物質が多くなり黒に近い褐色になります。

 

便は食べた物の中で、栄養素として必要なものは吸収されその吸収されなかったものの残りです。

 

つまり、極論ですが元々は体内には不要で早く外に排出されなければいけないものなのです。

 

それが、体内にとどまっていると消化も吸収もされず腐ってくる、というわけです。

 

この状態が続くと便は黒っぽい色となります。

 

また体内にとどまっている間に水分が取られ硬くなり、また腐敗物質のために臭くなります。

 

排便もしづらくなりますし、あまり硬くなると排便時に肛門が切れて出血(痔)になることもあります。早めに対処が肝要です。

 

市販の便秘薬でも良いですが、以下の対処がおすすめです。

 

  • なるべく繊維質や水分をとりバランス良い食事を取る。
  • 腸蠕動を促すための全身運動を行う。
  • 定期的なトイレ習慣(トイレを我慢しない)

 

頑固な便秘や、腹痛を伴うものになるとがんなど腫瘍による通過障害も考えられます。

 

あまり改善がみられない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

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消化器官の病気の影響で黒色になる

消化管の病気があって、そこから出血をしていると便が黒く見えることがあります。

 

もっとも問題なのは、上述したような「タール便」です。タールとは「炭」の意味で、炭のような真っ黒く生臭い便です。

 

肛門など、消化管でも出口に近い部位の出血であればあるほど色は鮮やかで赤っぽいです。

 

ですが、上部消化管と言われる胃や十二指腸などでは出血してからの距離が長いので、血液が酸化して黒っぽい便になります。

 

そのほかの消化管の病変

出血しやすい消化器官の病変として胃や十二指腸などのがんや潰瘍はよく知られています。

 

ですが他にも「食道静脈瘤」「マロリーワイス症候群」というのがあります。

 

食道静脈瘤とは、肝硬変や慢性肝炎、肝臓内の血管の門脈や肝静脈の狭窄や閉鎖が原因で起こります。

 

上記症状が起こると、門脈=肝臓内の血管の圧が上昇します。

 

そして食道など上部消化管の静脈まで圧が上がり太くなり、最終的に破裂するというものです。

 

結果、下血して黒っぽい便やタール便となるだけでなく、吐血として血液を吐くこともあります。

 

これは、緊急処置(救急車で受診する)を必要とします。

 

この状態は、最終的に吐血したりタール便でも出ないと気づかないことも多い病気です。

 

肝炎や肝硬変自体が無症状に経過することが多いためです。

 

緊急治療は、出血部位の圧迫止血(チューブを挿入して風船を膨らませて圧迫)が行われます。

 

併せて出血性ショックを防ぐための輸血や補液をします。

 

循環動態が落ち着いた後、内視鏡での原因の診断が行われます。

 

また「マロリーワイス症候群」とは、1929年マロリーワイスという医師が発見した病名です。

 

飲酒後に嘔吐し、その後嘔吐を繰り返し最後に吐血してしまった患者がいました。

 

その患者の胃の入口に縦走する裂創(裂けたような傷口)からの出血であることが分かりました。

 

以降、下記症状を「マロリーワイス症候群」と呼ぶようになりました。

  • 繰り返す嘔吐で腹圧が上がり
  • 食道の出口から胃の入り口付近に強い伸展力を受け粘膜が縦方向に亀裂を起こし
  • その裂傷から出血すること

 

便が黒っぽく見える時に繰り返す嘔吐が伴っていれば「マロリーワイス症候群」である可能性があります。

 

ただ、黒っぽい程度の便なら出血は少量ですが、タール便や吐血するようなら緊急性は高くなります。

 

ショックに対する対処の後、内視鏡下で止血処置(出血している血管にクリップをかけるor血管を焼く)をします。

 

その後、繰り返す嘔吐という根本の原因と治療になります。

 

まとめ

腸の健康度合いをはかるなら、便の色のチェックはとても重要な要素になります。

 

特に黒っぽい便は病気が隠れていることも多いですし、便秘としても重症です。

 

便が滞っていれば肌荒れ、吹き出物、肩こりや頭痛などの不定愁訴の原因にもなります。

 

腸内が健康で綺麗であれば、全身的にも健康で見た目も綺麗であることは決して極論ではありません。

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