便が臭う時の健康状態とは?
便がいつもよりにおう、臭いという時があります。
自分でもなんとなく体調不良を感じている時が多いかもしれません。
便がにおう時、どんなことが体内で起こっているのでしょうか。
また、どう対処すれば良いでしょうか。
そもそも便はなぜ臭う?
元々どの食べ物も臭い、香りはあります。
その食べ物を消化吸収した後の残りが便ですから、臭いが残るのは当然あり得ることです。
食べる時は良いにおいなのに、便になると臭くなる、それが時として異常に臭いがきつくなることがあります。
便の臭いにはアンモニア、スカトール、硫化水素など、いわゆる人間が「不快」「臭い」と感じる成分が含まれています。
特ににおいがきついときは、「悪玉菌である大腸菌やウェルシュ菌」が増殖しているケースが多いです。
この菌によって分解されたタンパク質や脂質が発酵し、腐敗臭、つまり腐ったにおいがするのです。
大腸で悪玉菌が増えている可能性あり!
大腸内にはよく聞くビフィズス菌などの善玉菌と、大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌、そしてどちらにも属さない日和見菌という菌がいます。
日和見菌とは、その名のごとく日和見な性格で、善玉菌が多いと悪玉菌的な活動をするようになります。
逆に悪玉菌が少ない状態になると、悪玉菌としての活動を不活性化させる特異な性質を持っています。
悪いことでも集団ならばできる、といった感じでしょうか。
善玉菌が減少すると、悪玉菌がどうしても優勢になり、臭いの原因となる有害物質が発生しやすくなります。
善玉菌が減少するのは、ほとんどが「食生活の乱れ」によるものです。
肉中心で野菜や海草類はほとんど無かったり、ジャンクフードなどで脂肪分を多く摂っていたりなどの影響が多くみられます。
善玉菌を増やす方法
- 善玉菌(乳酸菌)が多く含まれている食品から直接善玉菌を摂る=ヨーグルトやみそ、糠漬けなどの発酵食品
- 善玉菌のエサを摂り善玉菌を優位にする=オリゴ糖、ペクチン、グルコン酸などでバナナやリンゴ、はちみつ、ポン酢などに多い
- 悪玉菌を抑制する=ジピコリン酸を摂ることで納豆に多い
食中毒や大腸炎などの可能性も
食中毒や大腸炎でも便がにおうことがあります。
食中毒
便のにおい以前に嘔吐や発熱など激しい急性の症状が出ますから便のにおいを気にしているどころではありません。
比較的軽症で、発熱や嘔吐を伴わない食中毒の時などに、腐敗臭として健康ではない便のにおいを感じることがあります。
大腸炎
潰瘍性大腸炎は、原因不明の消化管の炎症状態の事を言います。
症状としては腹痛や下痢などで軽快と再燃を繰り返す難病です。
便は粘膜性になったり血便になることもあります。
また、おならも多くなりそれもとても臭うことがあります。
つまり、大腸の炎症により便の腐敗がおこり、やはり腐敗臭としておならや便が臭ってしまうのです。
なかなか完治という道が無く、良いときと悪いときを繰り返すので、なるべく良い状態を保つということを考えるしかありません。
おならや便が臭くなるときは悪い時期に突入しているときのサインです。
この悪い時期をいかに「更に悪くしないように過ごすか」を考えていくことが、この病気との付き合い方のコツとなるでしょう。
食べ方の問題もあり
よく噛まずにうのみにしてしまうような食べ方は、きちんと噛みくだかれないまま食べ物が胃や十二指腸、小腸へ運ばれます。
唾液に含有されているアミラーゼと呼ばれる物資は口の中を殺菌する機能を持っています。
食べた物をよく噛むことで唾液と十分に混ざり合わせれば、消化吸収の負担が減ることになります。
運動不足
運動不足によりお腹が出っ張ってきたり、内臓脂肪がついてくるとそれに伴って腸管の動きも悪くなります。
腸管の動きが悪くなれば、必然的に便が腸管内に長くとどまるようになります。
結果、便が腐敗して腐敗臭が出たりガスが多くなるので便も臭うようになります。
デスクワークなどで姿勢も悪いと尚更良くありません。
ですから、できるだけ体を動かすようにストレッチなどを意識するようにしましょう。
日ごろからのストレスが多い
ストレスが多い人も便がにおう傾向があります。
胃の中の「ペプシン」という消化酵素は、ストレスの影響を受けやすい物質です。
ストレスがかかると分泌量が減り腸の蠕動運動も鈍くなるので便が腸内から押し出されず腸内に長くとどまる傾向になります。
便が腸内に長くいると、便の腐敗が進み便がにおう原因となります。
まとめ
便の形や性状、硬さ、回数などは比較的誰でも気にするものです。
においももちろん、エチケットやマナー的な観点からは気になりますが、「便は臭いもの」としてスルーしてしまうこともあるかもしれません。
普通の便以上に臭い便はやはり異常と捉える必要があります。
悪玉菌が住みやすい腸内環境とは腸が健康ではない状態です。
悪玉菌が作り出す硫化水素などの有害物質が腸内細菌の作りだすガスとくっつくと、さらににおいのキツい便になります。
このガスは、血液中に取り込まれ全身を巡り、自分では気づかないうちに体臭まで臭くなる可能性もあるのです。
便の状態を観察する時には、臭いも気にするようにしていきましょう。