最近、20代から30代という若い世代に急増している潰瘍性大腸炎。
ストレス社会の所産と言われていますが、実は非常に難しい病気です。
潰瘍性大腸炎がひどくなると日常生活を普通に送ることも難しくなってきます。
潰瘍性大腸炎も早めに治療することで深刻化させることを防げます。
そんな潰瘍性大腸炎を早期発見するために、便の色に注目するのはいいことです。
では潰瘍性大腸炎は便にどんな変化があるのでしょうか?
気になる初期症状とは?潰瘍性大腸炎についての知識を深めておきましょう。
潰瘍性大腸炎を疑うべき便の色とは
潰瘍性大腸炎になると血便が出ます。
ですから赤色の便がでます。
というのも、その名の通り大腸に潰瘍ができて炎症を起こしている状態、それが潰瘍性大腸炎だからです。
大腸炎といっても、大腸の粘膜のみならずその下の層にまで及びひどい炎症を起こすので、出血を伴うことが多く血便になります。
また潰瘍性大腸炎は、強く症状が現れたり、一旦緩和されたりと安定しない病気で、その都度血便の様子も変わってきます。
潰瘍性大腸炎の初期に粘液のようなものが排出されます。
これは腸の粘膜に異常が出た証拠なのですが、この粘液上の物に血液が混ざり便に付着し赤い便になります。
炎症部が肛門に近い部分だと、便に血が付着した感じで出てくるのですが、炎症が肛門から遠いところだと、腸内細菌による分解を受け便自体が真っ赤になったように見えます。
そして炎症の範囲が広がるとともに粘血便と呼ばれるタール状の血便が出るようになります。
さらに悪化していくと、1日に⒑数回粘血便や血便が出るようになります。
そしてそれがひどくなると血便というよりほとんど下血に近い状態になります。
潰瘍性大腸炎が少し収まってくると、排便後拭いた時にトイレットペーパーにピンク色がつく程度で、目に見えて赤い便ではなくなることもあります。
また便に腸粘膜の残骸がついて緑っぽく見えたりもします。
このように潰瘍性大腸炎の場合便の色は一定ではありません。総じて血便と呼ばれる状態です。
潰瘍性大腸炎の初期症状とは
潰瘍性大腸炎の初期症状はけいれん性の腹痛と下痢、血便です。
しかし、程度に関して言えば、お腹が緩くなったかなと感じる程度の人から、ひどい痛みと下痢、血便ですぐに異常に気付く人まで様々です。
程度の差も関係していますが、多くの場合ストレスや緊張状態でお腹を壊したとか、食あたりと勘違いされ済まされることが多いです。
潰瘍性大腸炎は激しい痛みやけいれん性の痛みや下痢と、それらが緩和された状態を繰り返すため、一連の流れの病気だと気づきにくいのです。
お腹を壊しやすい体質とか、ストレスに弱いためと思い込むことが多く、病院に行って診察を受けるタイミングを逃しがちです。
潰瘍性大腸炎で直接死に至ることはほとんどありません。
しかし、炎症がひどくなったり広範囲になってくると摘出手術も行われます。
潰瘍がひどくなると腸に穴があいたり、がんを引き起こす原因になることもあるためです。
腸以外の場所に合併症が出ることもあります。
例えば関節炎や口内炎といった炎症も腸炎の進行とともにひどくなることがあります。
場合によってはこうした腸以外の炎症の治療も必要です。
潰瘍性大腸炎の治療は主に服薬治療です。
できるだけ早い段階で治療を始めれば、症状を悪化させないよう抑えていくことができます。
潰瘍性大腸炎は免疫系統疾患です。
本来体を守っているはずの免疫が、何らかの理由で腸壁を敵と勘違いし攻撃してしまうのです。
その免疫系統を治療することは難しく、治療法としては炎症を抑えることに徹することがほとんどです。
潰瘍性大腸炎がひどくなった場合は、ステロイド剤を配合した飲み薬や点滴で炎症を抑えます。直腸にじかに注入することもあります。
免疫調節薬で免疫反応自体を抑えることもあります。
しかし、この場合他のウイルスに対しての免疫も低下するので、風邪をひきやすくなるなどデメリットが付きまといます。
最近では生物学的製剤と言われ、バイオテクノロジー技術によって生み出された製剤を注射によって入れる場合もあります。
こうした治療はいずれの場合も早めに治療にかかることでかなりの効果をあげることができます。
潰瘍性大腸炎を早期発見するカギはやはり、「排便異常に気づいたら早めに病院に行く」ということです。
これは下痢が多いとか、お腹が痛いといったことに加えて、便の形状や色、回数の異常も含まれます。
潰瘍性大腸炎の場合、便の色や回数にすぐに異常が見られますから、軽く考えずにすぐに病院に行って検査を受けるようにしましょう。
まとめ
潰瘍性大腸炎を見分ける便の特徴となるのは血便、粘血便です。
赤い色の便は、一般的に見て体のどこかに不調があり、SOSを出している時です。
潰瘍性大腸炎が重症化すると、日常生活も困難になることがあります。
そうならないために、体が、便が発するSOSサインにできるだけ早く気づいてあげましょう。